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中国茶

すべてのお茶のルーツをたどってゆくと中国茶にたどり着きます。
日本でも浸透されている中国茶の魅力とは...

青茶 | 緑茶 | 黒茶 | 黄茶 | 紅茶 | 白茶 | 花茶

青茶 Qing Cha

代表的な青茶:南岩鐡觀音(ナンガンテツカンノン)

団揉(揉捻した茶葉を布でさらに球状に丸く揉む)と乾燥を何回も繰り返して丁寧に仕上げられています。ほのかな甘みと花の香りが特徴です。
半発酵茶をまとめて青茶といい、おなじみの烏龍茶も青茶に入ります。茶葉の色が暗緑色で、中国では暗緑色を青と表すことから青茶と呼ばれていうようです。緑茶と紅茶の風味をうまくミックスしたような芳醇な味と香りがするお茶です。中国茶は香りが命というように、香りに細心の注意を払ってつくられています。ただ日本では缶の中国茶がメジャーなため、本来の味と香りが伝わっていません。

緑茶 Liu Cha

代表的な緑茶:明前龍井(ミンゼンロンジン)

中国釜炒り緑茶の代表格です。葉を釜の縁でこすりつけるように揉むので茶葉が偏
平になります。豊かな香りとコクのある味です。

中国で一番生産量が多く広域に渡って作られているお茶で、もっとも一般的に飲まれています。中国の緑茶は蒸すのではなく釜炒りをするものがほとんどです。他の中国茶と違い熱湯ではなく70~80℃のお湯でいれます。日本の緑茶と比べて淡い緑の水色で渋味の少ないサッパリとした飲み口です。

黒茶 Hei Cha

代表的な黒茶:家蔵六堡(カゾウリュウパオ)

檳耶の花の香りがするお茶。軽い渋味がありますが飲んだあとに甘みが残ります。
口の中がすっきりして喉ごしもソフトです。

茶葉・水色とも黒っぽいお茶で、これは工程途中で繁殖する麹菌の働きのためです。代表的なのは独特のカビ臭さがある、プアール茶ですが、意外にも食事には合うので香港では飲茶でよく飲まれています。また、プアール茶はワインのように年代の古いものが珍重されます。

黄茶 Huang Cha

代表的な黄茶:霍山黄芽(カクザンオウガ)

午前中に茶葉を摘むお茶です。お湯を入れると茶葉が浮き沈みして湖の水中の自然をかいま見ているようなお茶です。
黄茶は、黄色い茶葉で、黄色い水色のお茶です。黄茶は不思議なお茶です。緑茶に近い爽やかな味に、何とも言えない向日の香り、おまけに動く茶葉。意外性が高いお茶です。 

紅茶 Hong Cha

代表的な紅茶:祁門紅茶(キーモンコウチャ)

ダージリン・ウバと並ぶ世界三大紅茶のひとつです。蘭花香をもち、渋味がほとんどなく自然の甘みがあります。清飲(ストレート)で飲んでください。 

紅茶は完全発酵茶に分類され、独特の水色と香りは発酵茶ならではといえるでしょう。中国紅茶は紅茶の本家本元。つまり家柄の良い高貴で上品なお茶なのです。中国風に味わうのならミルクや砂糖を入れず清飲(ストレート)でいただきましょう

白茶 Bai Cha

代表的な白茶:.白牡丹(パイムータン)

白い産毛に包まれた新芽と若葉を太陽に晒して仕上げたお茶。ビタミンCを多く含んでいます。胃腸にやさしく、さっぱりとしているので体調が悪い時や夏の暑い時にどうぞ。
白茶は新芽に白毛が多い品種の茶葉を使うことから呼ばれているようです。白茶は一言でいうとシンプルなお茶。つくりかたも味も香りも自然です。淡香淡味、黄金色の水色でほのかな甘い香りがします。刺激が少なくて胃にやさしい、中国でもいろいろなお茶を飲み飽きた通の人が飲むお茶として知られています。 

花茶 Hua Cha

代表的な花茶:坑州白菊(コウシュウシラギク)

香り高い抗州産の白菊をお茶にしたものです。目の疲れによいと言われています。
そのまま飲んでも龍井茶などにブレンドしてもたのしめます。
花茶は茶葉に花の香りを移したお茶です。例えば茉莉花葉は茶葉の吸香性をうまく利用して作られ、最後に香り付けの花は取り除きます。ですからきちんと美香のついた高級な花茶は茶葉の中の花の量が少なくなります。花だけを購入して自分でブレンドし、オリジナルの花茶を作るのもいいでしょう。 

<参考資料> 
橋本実 著 『茶の起源を探る』淡交社/斉藤光哉 監修 『お茶の辞典』成美堂出版 
松下智・橋本実・鈴木良雄・南廣子・南久美子 著『Q&Aやさしい茶の科学』淡交社 
『日本のお茶Ⅰ・お茶と生産』株式会社ぎょうせい