インド紅茶
世界第一を誇る紅茶生産国...インド。
ヨーロッパの市場に新しい歴史を作った紅茶です。
ダージリン Darjeeling
昼と夜の温度差が大きく、霧の発生しやすい西ベンガル州の北端、ヒマラヤ山岳地帯の険しい山の斜面で栽培されます。
マスカットフレーバーといわれる特有の香りは世界最高と称され、この香りを生かすために大型の OPタイプの葉に仕上げられます。
特にゴールデンチップを多く含んだ4~5月摘みのものは、紅茶の『シャンパン』といわれて珍重されています。摘採期は3月~11月までですが、秋に摘まれるものは オータムナルと呼ばれ、ファーストフラッシュよりも赤みがかった黒っぽい水色となり濃く、渋い味に入ります。
おすすめの飲み方
1番茶はストレートで、2番茶はミルクティーでどうぞ。
どちらもアフタヌーンティー向き。
ドアーズ Dooars
ダージリンと同じく北東インド茶で、茶葉は茎っぽく、赤みがかったものが多いです。
ダージリンに比べるとはるかに濃い水色に出ますが、ダージリンほど強い渋味はなく香りもあまり強くありません。
10月~11月には、ローズオータムナル(バラ色の秋茶)と呼ばれる良品が摘まれます。
一般にはブレンド用に使用されることが多く、一部はCTC茶に加工されてティーバッグにもなります。
おすすめの飲み方
ストレートで飲むと味に物足りなさが...
濃く入れてミルク を入れて飲んで下さい。
アッサム Assam
アッサム茶の産地は、プラマプト谷とスルマ谷に分かれますが、前者がアッサム茶 と称されるのに対し、後者は地区名のカチャールおよびシルヘットの名で知られて ます。収穫は年間を通じ1番茶から5番茶まで摘まれます。どれもがかなりの強い 味をもち、刺激的な香りをもっています。(1月初めから4月までに摘までに摘む ファーストフラッシュの香りは特に、芳醇です。)濃厚で飲みごたえのある紅茶な ので、味の弱い紅茶とブレンドして用いられることが多いです。
おすすめな飲み方
煮込み式のミルクティーにピッタリ。
ニルギリ Nilgiris
歴史的にはまだ新しい紅茶で、1926年に南インド、ニルギリ地区に茶業研究所が開かれてから栽培が急速に伸びました。
インド茶にしては珍しく、市場に出てくるもののほとんどが BOPタイプです。味は刺激的で重く、水色は明るい赤色、特 有の香り高い芳香があります。品質のすぐれたものは12月~1月にかけてのものですが、インド産地の中では一番恵まれた気候の中で育ち、年かを通じて収穫があります。
おすすめの飲み方
ミルクティーはもちろん、スパイスなどをいれたバリエーションティーにも向きます。
<参考資料>
橋本実 著 『茶の起源を探る』淡交社/斉藤光哉 監修 『お茶の辞典』成美堂出版
松下智・橋本実・鈴木良雄・南廣子・南久美子 著『Q&Aやさしい茶の科学』淡交社
『日本のお茶Ⅰ・お茶と生産』株式会社ぎょうせい